製あん「練りあん」の成り立ち

近代に入ると、この「あんこ」は「あんパン」を始め、様々な食に派生するようになりました。「あん」は製菓、製パン等の素材ですが、この「練りあん」は完成品としても消費されています。

戦後パン食の普及とともに、あんパン用および食パンにつける「加糖あん」の需要が増大し、昭和36~37年頃から、生あんに砂糖その他の甘味を加えて練り上げた製品が、製パン業界において使用されるようになりました。最近は製パン業界だけでなく、労働力不足から製菓業界、甘味喫茶業界その他からも新しい需要が出てきて、生産は急速に増大しています。

「練りあん」は油脂との相性がよく、バターや、生クリームと組み合わせて使うことで、洋菓子の食材としても欠かせないものとなりました。

また酸味のある食材との相性も良いことから、近年は和菓子の定番となった「いちご大福」のみならず、キウイや蜜柑、またブドウの最高級品種「ルビーロマン」など、高級食材を「練りあん」で包んだ大福が人気となり「フルーツ大福」というジャンルを確立するほどになりました。

「あん」のもつ「多様性」が各分野の「素材」と組み合わさることで、美味しい商品が日々誕生しています。

栄養価が高く、低カロリー、食物繊維も豊富な「あん」はヘルシーフードとして近年、海外からも高い注目を集めています。今後、世界各地の食文化、素材と融合することで、「あん」の可能性は無限に広がっていくことでしょう。


日本製餡協同組合連合会

日本製餡協同組合連合会は 全国の製餡業者が加盟している業界団体です

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