「あん」アラカルト 2

古くから、薬としても利用されてきた小豆

「あん」の原料といえば、代表格はやはり、小豆と白あんのもとになるインゲン豆。

小豆はすでに8世紀には国内で栽培されていたらしく「古事記」や「日本書紀」にも大宜津比売神(おおげつひめのかみ)の鼻から小豆が生えてきたという神話があるほど、古参の豆です。

また、その赤色が古来から邪気を払うと信じられ、赤飯や饅頭など、慶事の食卓と深く結びついてきました。この風習、一見、縁起担ぎのようにも見えますが、栄養学的に合理性のないことではありません。

昔の人は、産後の肥立ちの悪い女性に小豆を食べさせたといいますが、これは実際、小豆に含まれるサポニンにお産の時にできた血栓を溶かす作用があることが知られています。

また、脚気に効くといわれてきたのは、豊富なビタミンB1の働きですし、血液や心臓に良いとされてきたのは、鉄分をはじめとする各種ミネラルのおかげです。

今のように栄養学が発達しない時代でも、人々は、小豆の優れた栄養を感じ取っていたのでしょう。

日本製餡協同組合連合会

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